13.7. システムが OpenLDAPを使用して認証を実行するように設定する

このセクションでは、OpenLDAPのユーザー認証を設定する方法について 簡単に概要を説明します。OpenLDAPに関して熟達していない限り、本書の説明以外にも詳しいドキュメントが必要となります。 詳細については項13.9に 記載している参考文献を参照してください。

必要なLDAPパッケージのインストール

最初に、LDAPサーバーとLDAPクライアントの両方のマシンに該当するパッケージが インストールされていることを確認します。LDAPサーバーには openldap-serversパッケージが必要です。

LDAPクライアントマシンでは、openldapopenldap-clientsnss_ldapのパッケージをインストールする必要があります。

設定ファイルの編集

  • サーバー上で、LDAPサーバーにある/etc/openldap/slapd.confファイルを編集して、必ず組織の特性に一致するようにします。slapd.confの 編集については項13.6.1 の説明を参照してください。

  • クライアントマシン上では、/etc/ldap.conf /etc/openldap/ldap.confの両方が組織の適切なサーバーと検索ベースの 情報を含んでいる必要があります。

    これを行なうには、グラフィカルな認証 設定ツール (system-config-authentication)を実行して、ユーザー情報 タブで LDAPサポートを有効にするを選択します。

    また、これらのファイルは手動でも編集することができます。

  • LDAPを使用する為には、クライアントのマシンで、 /etc/nsswitch.confを編集する 必要があります。

    これを行なうには、認証 設定ツール (system-config-authentication)を実行して、ユーザー情報 タブで LDAPサポートを有効にするを選択します。

    手動で/etc/nsswitch.confを編集する場合、 適当な行にldapを追加します。

    例えば次のようにします:

    passwd: files ldap
    shadow: files ldap
    group: files ldap

13.7.1. PAMとLDAP

標準のPAMを有効にしたアプリケーションが認証にLDAPを使用するようにするには、 認証 設定ツール(system-config-authentication)を実行して、認証タブでLDAPサポートを有効にするを選択します。PAM の設定に関する詳細は、章16章及びPAMのmanページを参照してください。

13.7.2. 古い認証情報をLDAPフォーマットへ移行

/usr/share/openldap/migrationディレクトリには、認証 情報を LDAP フォーマットに移行するための一連のシェルと Perl スクリプトが 含まれています

注記注記
 

これらのスクリプトを使用するには、 システムに Perlをインストールしている必要があります。

最初に、migrate_common.phファイルを修正し、 正しいドメインを反映するようにします。デフォルトのDNSドメインは、 そのデフォルトの値から次のように変更してください。

$DEFAULT_MAIL_DOMAIN = "example";

デフォルトのベースも次のように変更する必要があります:

$DEFAULT_BASE =
"dc=example,dc=com";

ユーザーデータベースをLDAP読み込み可能なフォーマットに移行する作業は、 同じディレクトリにインストールしてある一連の移行スクリプトに任されます。 表13-1を使用して、 ユーザーデータベースを移行する為に実行するスクリプトを決定してください。

既存のネームサービスに基づいて適切なスクリプトを実行します。

/usr/share/openldap/migration/ディレクトリ内の README及び migration-tools.txtファイルは 移行の方法に関する詳細情報を提供します。

既存のネームサービスLDAPは動作しているか使用するスクリプト
/etc単層ファイルはいmigrate_all_online.sh
/etc単層ファイルいいえmigrate_all_offline.sh
NetInfoはいmigrate_all_netinfo_online.sh
NetInfoいいえmigrate_all_netinfo_offline.sh
NIS (YP)はいmigrate_all_nis_online.sh
NIS (YP)いいえmigrate_all_nis_offline.sh

表 13-1. LDAP移行スクリプト