Red Hat Enterprise Linuxの心臓部と言えるのがカーネルであり、多くのユーザーにとっては、 オペレーティングシステムの顔となるのが、X Window System またはXとも呼ばれるグラフィカル環境です。
UNIX™の世界では各種のウィンドウ環境が、数十年存在して来ました。現在の多くの主流オペレーティングシステムより歴史があります。これらの年月を通して、UNIX ライクなオペレーティングシステムでは、X が有力なグラフィカル環境となっています。
Red Hat Enterprise Linux のグラフィカル環境は X.Org Foundationによって供給されています。これは、X Window System と関連技術用の開発と政策の管理の為に創造された X のオープンソースコンソーティアムです。X.Org は世界中に散らばる何百人もの開発者によって急速な成長を遂げている大規模なプロジェクトです。各種ハードウェアデバイスとアーキテクチャへの幅広いサポートを特徴とし、様々なオペレーティングシステムやプラットホームで動作することができます。特にこのリリースの Red Hat Enterprise Linux には X Window System の X11R6.8 リリースが含まれています。
X Window System は、クライアント/サーバーアーキテクチャーを使用します。X サーバー(Xorgバイナリ)は、ネットワーク又はローカルループ バックインターフェイスを経由したX クライアントからの接続を監視します。サーバーは、ビデオカード、モニター、キーボード、マウスなどハードウェアとの通信をもちます。X クライアントアプリケーションは、ユーザースペース内にあり、ユーザーとそのユーザーの要求を Xサーバーに渡すためのGUI(グラフィカルユーザーインターフェイス)を構成します。
Red Hat Enterprise Linux 4 では、X11R6.8 リリースを X Window System のベースとして 使用し、これには 3Dハードウェア高速化サポート、anti-aliasedフォント用の XRender 拡張、モジュラドライバベースのデザイン、そして最新のビデオハードウェアと入力デバイス用サポートなどの最先端の X.Org 技術の増強が含まれています。
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Red Hat Enterprise Linux では、XFree86™サーバーパッケージは提供を終了しました。Red Hat Enterprise Linux を最新バージョンにアップグレードする前に、ビデオカードがX11R6.8 リリースと互換性があるかどうかを、次ぎに示す Red Hat ハードウェア互換一覧のサイトで確認してください。http://hardware.redhat.com。 |
X11R6.8 リリース関連のファイルは、主に次の2つの場所にあります:
X サーバーと幾つかのクライアントアプリケーションの他に、 X ヘッダファイル、ライブラリ、モジュール、ドキュメントなどを収納しています。
これには、X クライアントとサーバーのアプリケーション用の設定ファイルが含まれています。この中には、X サーバー自身の設定ファイル、xfsフォントサーバー、X ディスプレーマネージャ、その他多くのベースコンポーネントがあります。
新しいFontconfigベースのフォントアーキテクチャーが/etc/fonts/fonts.conf (/etc/X11/XftConfigファイルの改訂版となる)であることに注意して下さい。 フォントの設定と追加に関しては 項7.4を参照してください。
X サーバーは、幅広い種類のハードウェア上で高度なタスクを実行しますので、詳細な設定を必要とします。インストールプログラムは、X11R6.8 リリースパッケージがインストールの選択項目から外されない限り、X を自動的にインストールして設定をします。しかし、モニターやビデオカードが変更される場合、X を再設定する必要があります。最適な実行方法は、X 設定ツール(system-config-display)を使用することです。
Xのセッションがアクティブな時に、X 設定ツールをスタートするには、メインメニューボタン(パネル上)=> システム設定 =>ディスプレイと進みます。X セッションの間にX 設定ツールを使用した後は、一度ログオフをして、再度ログインするとその変更が有効になります。 X 設定ツールの使用に関する詳細は、 Red Hat Enterprise Linux システム管理ガイドにあるX Window System の設定の章を参照してください。
場合によっては、X サーバーの再設定には、その設定ファイル/etc/X11/xorg.confを手動編集する必要があるかもしれません。このファイルの構造に関する詳細は項7.3を参照してください。