X サーバーが実行されると、X クライアントアプリケーションはそれに接続して、ユーザー用の GUI を作成することが出来ます。Red Hat Enterprise Linux では、ごく基本的なタブウィンドウマネージャから高度に発達した対話式の GNOMEデスクトップ環境まで、ほとんどの Red Hat Enterprise Linux ユーザーにお馴染みの幅広い GUI が利用できます。
より最新の高度な GUI を構成するには、X クライアントアプリケーションの2つの主要クラスであるデスクトップ環境、及びウィンドウマネージャがX サーバーに接続される必要があります。
デスクトップ環境は、一緒に使用されると共通のグラフィカルユーザー環境と開発プラットフォームを構築する各種の Xクライアントを収束します。
デスクトップ環境は、幾つかの高度な機能を持ち、これによりXクライアントと他の実行中プロセスが次々に交信できるようになり、またその環境で動作するように書き込まれているすべてのアプリケーションがドラッグアンドドロップ操作などの高度なタスクを実行できるようになります。
Red Hat Enterprise Linux は2種類のデスクトップ環境を提供します。
GNOME — GTK+ 2 グラフィカル ツールキットを ベースにしたRed Hat Enterprise Linux用のデフォルトのデスクトップ環境。
KDE — Qt 3 グラフィカル ツールキットを ベースにした代用のデスクトップ環境。
GNOME と KDEは両方とも、ワープロ、スプレッドシート、Webブラウザなどの 高度な作業効率のアプリケーションを持っており、またGUIのルックとフィールを カスタマイズするためのツールも提供します。さらには、GTK+ 2とQt の両方の ライブラリが揃っている場合、KDEアプリケーションをGNOMEの中で実行することができまたその逆も 可能になります。
ウィンドウマネージャ は、デスクトップ環境に1部であるか、 又は、場合によってはスタンドアローンのこともあります。その主要目的はグラフィカル ウィンドウがどのように配置され、サイズ変更され、そして移動されるかを制御します。 ウィンドウマネージャは、またタイトルバー、ウィンドウの焦点調節、そしてユーザー設定の キーとマウスボタンの連携なども制御します。
4種類のウィンドウマネージャが Red Hat Enterprise Linux に収納されています:
kwin — KWinウィンドウマネージャは、KDEのデフォルトウィンドウマネージャです。 カスタムテーマをサポートする効率的なウィンドウマネージャです。
metacity — Metacity ウィンドウマネージャは、GNOMEのデフォルトウィンドウマネージャです。カスタムテーマをサポートするシンプルで効率的なウィンドウマネージャです。
mwm — Motif ウィンドウマネージャは、基本的なスタンドアローンのウィンドウマネージャです。単独で機能するように設計されているため、GNOME や KDE と一緒に使用すべきではありません。
twm — 最小のタブウィンドウマネージャで、これはすべてのウィンドウマネージャの中で最も基本的なツールセットを提供し、単独又は別のデスクトップ環境との併用でも使用できます。X11R6.8リリースの一部としてインストールされています。
これらのウィンドウマネージャは、その違いを明確に知る為にデスクトップ環境なしで 単独で実行することも出来ます。これを実行するには、コマンドxinit -e <path-to-window-manager>を入力します。ここで<path-to-window-manager>は ウィンドウマネージャのバイナリファイルのある場所です。そのバイナリファイルはwhich <window-manager-name>と入力して見つけることが出来ます。 <window-manager-name>は、 問い合わせているウィンドウズマネージャの名前です。