章 4章. sysconfig ディレクトリ

/etc/sysconfig/ ディレクトリには、Red Hat Enterprise Linuxのさまざまなシステム設定ファイルが収納されています。

この章では、/etc/sysconfig/にあるファイル、その機能、その内容等の 概要を説明していきます。これらのファイルの多くは、特別な、あるいは稀な状況でしか使用しない 各種のオプションを含んでいるため、本章の情報は完全性を意図しているものではありません。

4.1. /etc/sysconfig/ディレクトリ内のファイル

次のファイルは通常、/etc/sysconfig/ディレクトリの 中で見付けることが出来ます:

注記注記
 

上記のファイルの内の幾つかが/etc/sysconfig/ディレクトリに ない場合、その関連のプログラムがインストールされていない可能性があります。

次ぎのセクションではこれらのファイルの説明をしています。ここには記載されていない ファイル、及びその他のファイルオプションについては /usr/share/doc/initscripts-<version-number>/sysconfig.txt ファイルをご覧ください。(<version-number> には、initscriptsパッケージのバージョンを 入れます)。又は、/etc/rc.d/ディレクトリにある initscript も役に立ちます。

4.1.1. /etc/sysconfig/amd

/etc/sysconfig/amd ファイルにはamdで 使用する多彩なパラメータが含まれています。これらのパラメータにより、ファイル システムの自動マウント/アンマウントが可能になります。

4.1.2. /etc/sysconfig/apmd

/etc/sysconfig/apmdファイルは、サスペンドやレジューム機能で開始/停止/変更する電源セッティングの構成をする apmdによって使用されます。このファイルはブート時の apmd機能を設定して、その動作はハードウェアがAPM (Advanced Power Management)をサポートするかどうか、又はユーザーがそれを使用 するようにシステムを設定しているかどうかによって左右されます。apmデーモンは Linux カーネル内でパワー管理コードと共に機能するモニタプロ グラムです。ノート型 PC や他の電源関連の設定でバッテリー低下をユーザーに通知 する機能があります。

4.1.3. /etc/sysconfig/arpwatch

/etc/sysconfig/arpwatchファイルは、ブート時に引数をarpwatchデーモンに渡すのに使用されます。 arpwatchデーモンはイーサネットのマックアドレスとその IP アドレスのペアリングのテーブルを保全します。デフォルトでは、このファイルは arpwatch プロセスのオーナーをユーザー pcapに設定して、rootメールキューにメッセージを送信します。このファイルに利用できるパラメータについての詳細はarpwatchの man ページを御覧下さい。

4.1.4. /etc/sysconfig/authconfig

/etc/sysconfig/authconfigファイルは、ホスト上で使用される認証を設定します。これには以下の行の1つ又は複数が含まれます:

  • USEMD5=<value>、ここで <value>は次のいずれかです:

    • yes — MD5 は認証に使用されます。

    • no — MD5 は認証に使用されません。

  • USEKERBEROS=<value>、ここで <value>は次のいずれかです:

    • yes — Kerberos は認証に使用されます。

    • no — Kerberos は認証に使用されません。

  • USELDAPAUTH=<value>、ここで <value>はつぎのいずれかです:

    • yes — LDAP は認証に使用されます。

    • no — LDAP は認証に使用されません。

4.1.5. /etc/sysconfig/autofs

/etc/sysconfig/autofs ファイルはデバイスの自動マウント 用のカスタムオプションを定義します。このファイルが自動マウントデーモンの動作 を制御して、使用時に自動的にファイルシステムをマウントし、一定の停止時間で アンマウントします。ファイルシステムには、ネットワークファイルシステム、CD-ROM、 フロッピー、及びその他のメディアを含むことが可能です。

/etc/sysconfig/autofs ファイルは以下の項目を含む 事ができます:

  • LOCALOPTIONS="<value>"、ここで<value>は、マシン特定の自動マウント規則を定義する為の文字列です。デフォルト値は空文字列です("")。

  • DAEMONOPTIONS="<value>"、ここで <value>は、デバイスがアンマウントされるまでの時間幅の秒数です。デフォルト値は 60 秒です。 ("--timeout=60")

  • UNDERSCORETODOT=<value>、 この <value>は、ファイル名内のアンダースコアをドットに変換するかどうかを制御するバイナリの値です。例えば、auto_home からauto.homeへ、又はauto_mntから auto.mntへと変更します。デフォルトの値は 1 (true)です。

  • DISABLE_DIRECT=<value>、 ここで、<value>とは、ダイレクトマウント サポートを無効にするかどうかを制御するバイナリの値です。Linux の実装は Sun Microsystems のオートマウンターの動作に従いません。デフォルトの値は 1 (true)で、これにより、Sun オートマウンターオプション仕様の構文と互換性を 持つ事ができます。

4.1.6. /etc/sysconfig/clock

/etc/sysconfig/clockファイルは、システムのハード ウェアクロックから読み込んだ値の翻訳を制御します。

その正しい値は次のようになります :

  • UTC=<value>, ここで <value>は、 次のブール値のいずれかです:

    • true 又は yes — ハードウェアクロックは世界標準時にセットされます。

    • false 又は no — ハードウェアクロックはローカル時にセットされます。

  • ARC=<value>、ここで <value>は、以下のようになります:

    • true 又は yes — ARC コンソールの42年の時間オフセットが有効になっています。このセッティングは、ARC- 又は AlphaBIOS ベースの Alpha システム のみの為のものです。この値は、通常の UNIX エポックが使用中という意味です。

  • SRM=<value>、ここで <value>は、次のようになります:

    • true又は yes — SRM コンソールの 1900 エポックが有効になっています。この設定は SRM-ベースの Alpha システムのみのものです。

    • false 又はno — この値は、通常の UNIX エポックが使用中であるという意味です。

  • ZONE=<filename> /etc/localtimeの コピー元である/usr/share/zoneinfoの中のタイム ゾーンファイル。 このファイルには以下のような情報が含まれます。

    ZONE="America/New York"

以前のリリースの Red Hat Enterprise Linux は以下の値を使用していました(現在 無視されています):

  • CLOCKMODE=<value>, ここで <value> は 次のいずれかです:

    • GMT — クロックは世界標準時にセットされて います。 (グリニッジ標準時間)

    • ARC — ARCコンソールの42-年のタイムオフセットは 有効になっています(Alpha ベースシステムのみ)。

4.1.7. /etc/sysconfig/desktop

/etc/sysconfig/desktopファイルは、ランレベル5で稼働時に新しいユーザーと実行されるディスプレイマネージャ用のデスクトップを指定します。

その正しい値は次のようになります。

  • DESKTOP="<value>"、ここで "<value>"は以下のいずれかになります:

    • GNOME — GNOME デスクトップ環境です。

    • KDE — KDE デスクトップ環境です。

  • DISPLAYMANAGER="<value>"、ここで"<value>" は以下のいずれかになります:

    • GNOME — GNOME ディスプレイマネージャを選択します。

    • KDE — KDE ディスプレイマネージャを選択します。

    • XDM — X ディスプレイマネージャを選択します。

詳細は、章7章を参照してください。

4.1.8. /etc/sysconfig/devlabel

/etc/sysconfig/devlabelは、devlabel設定ファイルです。直接ファイルを手動で変更しないでください。このファイルは/sbin/devlabel コマンドを使って設定します。

devlabelコマンドの使い方についての説明は、 Red Hat Enterprise Linux システム管理ガイドにある ユーザー定義デバイス名の章を参照してください。

4.1.9. /etc/sysconfig/dhcpd

/etc/sysconfig/dhcpdファイルは、ブート時に引数を dhcpdデーモンに渡す為に使用されます。 dhcpdデーモンはDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)と BOOTP(Internet Bootstrap Protocol)を実装するものです。 DHCPとBOOTPはネット ワーク上のマシンにホスト名を割り当てます。 このファイルで利用出来るパラメータに関する詳細はdhcpdのmanページを参照してください。

4.1.10. /etc/sysconfig/exim

/etc/sysconfig/eximファイルにより、必要なネットワーク上でメッセージを配送して、1つ又は複数のクライアントにメッセージを送ることができます。このファイルは、exim が実行されるようにデフォルトの値を設定します。 そのデフォルトの値は、デーモンをバックグラウンドで動作するようにして、何かが バックアップされた場合の為に1時間毎にキューをチェックするようになっています。

その値は以下を含みます:

  • DAEMON=<value>, ここで <value>は以下のいずれかになります:

    • yes —は、exim は受信メール用にポート25をリッスンするように設定する必要があります。yesは Exim の-bdオプションの使用を意味します。

    • no — exim は、受信メール用にポート25をリッスンするように設定する必要がありません。

  • QUEUE=1h exim にそれを-q$QUEUEとして与えます。-qオプションは、/etc/sysconfig/eximが存在していて、QUEUEが空又は、未定義の場合は、exim に与えられません。

4.1.11. /etc/sysconfig/firstboot

最初にシステムがブートする時、 /sbin/initプログラムは etc/rc.d/init.d/firstbootスクリプトをコールし、それが セットアップエージェントを開始させます。このアプリケーション によってユーザーは最新の更新のみならず、追加のアプリケーションやドキュメント をインストールすることが出来ます。

/etc/sysconfig/firstbootファイルはセットアップエージェント アプリケーションに対しその後の再起動では実行しないよう指示をします。 次回システムがブートする時に実行するに、/etc/sysconfig/firstbootを削除して、 chkconfig --level 5 firstboot onを実行します。

4.1.12. /etc/sysconfig/gpm

/etc/sysconfig/gpmファイルは、ブート時に引数を gpmデーモンに渡す為に使用されます。gpm デーモンは、マウスの加速と中ボタンクリックの貼り付けを可能にするマウスサーバーです。このファイルで利用できるパラメータに関する詳細は gpmの man ページを参照してください。デフォルトでは、DEVICE ディレクティブを/dev/input/miceにセットします。

4.1.13. /etc/sysconfig/harddisks

/etc/sysconfig/harddisksファイルはハードドライブを チューンします。管理者は/etc/sysconfig/hardiskhd[a-h]を 使用して、特定のドライブ用にパラメータを設定することも出来ます。

警告警告
 

注意深い計画なしにこのファイルを変更しないようにして 下さい。デフォルトの値を変えると、ハードドライブの 全てのデータを破損する可能性が有ります。

/etc/sysconfig/harddisksファイルは以下の 項目を含むことができます:

  • USE_DMA=1、この値が 1 に設定してある時、DMA を有効に します。しかし幾つかのチップセットとハードドライブの組合せでは DMA がデータ 破損の原因ともなり得ます。このオプションを有効にする前に、ハード ドライブのマニュアルか、その製造元で確認をとってください。

  • Multiple_IO=16, 設定が 16の場合、 I/O 割込み毎に複数のセクターを許可します。有効になっている時には、この機能はオペレーティングシステムの実行負担を30-50%削減します。デフォルトでは、このエントリはコメントアウトになっていて、無効です。

  • EIDE_32BIT=3 インターフェースカードに対する (E)IDE 32-bit I/Oサポートを有効にします。デフォルトで、このエントリはコメントアウトされており、無効です。

  • LOOKAHEAD=1 ドライブの先読みを有効にします。デフォルトでこのエントリはコメントアウトされており、無効です。

  • EXTRA_PARAMS= 余分のパラメータが追加できる場所を指定します。デフォルトでは、パラメータはリストされていません。

4.1.14. /etc/sysconfig/hwconf

/etc/sysconfig/hwconfファイルは、システム上で kudzuが検出するハードウェアの全て、及び使用されるドライバ、ベンダーID、デバイスID情報などの一覧表示します。kudzu プログラムはシステム上の新規、及び変更のあったハードウェアを 検出し、設定します。/etc/sysconfig/hwconfファイルは 手動で編集されるべきものではありません。もし編集された場合は、デバイスの一部が突然、追加や削除された項目として表示される可能性があります。

4.1.15. /etc/sysconfig/i18n

/etc/sysconfig/i18nファイルは、デフォルトの言語、 サポートする言語、及びデフォルトシステムのフォントを設定します。 例えば次のような表示になります:

LANG="en_US.UTF-8"
SUPPORTED="en_US.UTF-8:en_US:en"
SYSFONT="latarcyrheb-sun16"

4.1.16. /etc/sysconfig/init

/etc/sysconfig/initファイルは ブートプロセスでシステムの表示法と機能を制御します。

次のような値を使用することが出来ます:

  • BOOTUP=<value>、ここで <value>は 次のいずれかになります:

    • color — 標準のカラーブート表示を意味し、これでデバイスの成功か失敗か、そしてサービスが開始しているかを別々のカラーで表示することになります。

    • verbose — 古いスタイルのディスプレイで、単なる成功/失敗のメッセージのみでなく、より多くの情報を提供します。

    • それ以外は、新しいディスプレイとなります。しかしANSI-形式はありません。

  • RES_COL=<value>、この <value>は、ステータスラベルを開始する画面の列の数字です。デフォルトは 60 にセットされています。

  • MOVE_TO_COL=<value>、この <value>echo -enコマンドを経由してRES_COL行の 値までカーソルを動かすという意味です。

  • SETCOLOR_SUCCESS=<value>、この <value>は、echo -enコマンドを経由して成功表示のカラーを設定します。 デフォルトはグリーンにセットされています。

  • SETCOLOR_FAILURE=<value>、この <value>echo -enコマンドを経由して失敗表示のカラーを設定します。 デフォルトは黄色にセットされています。

  • SETCOLOR_WARNING=<value>、この <value>echo -enコマンドを経由して警告のカラーを設定します。 デフォルトは黄色にセットされています。

  • SETCOLOR_NORMAL=<value>、この <value>echo -enコマンドを経由して "ノーマル"のカラーをリセットします。

  • LOGLEVEL=<value>、この <value>は、カーネル用の初期コンソールログインのレベルです。デフォルトの 3; 8 は すべてを意味し、(デバッグを含む) 1 はカーネルパニックを示します。syslogdデーモンは一度開始するとこの設定を上書きします。

  • PROMPT=<value>、ここで <value>は 次にブール値のいずれかとなります:

    • yes — 対話式モードの キーチェックを有効にします。

    • no — 対話式モードの キーチェックを無効にします。

4.1.17. /etc/sysconfig/ip6tables-config

/etc/sysconfig/ip6tables-configファイルは、ブート時やip6tablesサービスが開始された時はいつでも、IPv6 パケットフィルタを設定する為にカーネルが使用する情報を保存します。

ip6tablesルールの構築方法をよく理解している方以外は、 直接このファイルを手動で変更しないでください。また、ルールは/sbin/ip6tablesコマンドを使用して 手動で作成することもできます。作成が完了したら、次のコマンドを入力して /etc/sysconfig/ip6tablesファイルにルールを追加します。

/sbin/service ip6tables save

このファイルが存在すると、そこに保存されたファイアウォールルールは システムの再起動やサービスの再スタートの後でも継続されます。

ip6tablesに関する詳細は章18章 を参照してください。

4.1.18. /etc/sysconfig/iptables-config

/etc/sysconfig/iptables-configファイルは、ブート時や サービスが開始された時はいつでも、パケットフィルタサービスを設定する為に カーネルが使用する情報を保存します。

iptablesルールの構築方法をよく理解している方以外は、このファイルは手動で編集しないで下さい。最も簡単にルールを追加する方法はセキュリティレベル 設定ツール (system-config-securitylevel)アプリケーションを使用してファイアウォールを作成することです。このアプリケーションがプロセスの最後にこのファイルを自動編集します。

ルールは/sbin/iptablesを使用して手動でも作成できます。 作成後に、次のコマンドを入力してルールを/etc/sysconfig/iptablesファイルに追加します:

/sbin/service iptables save

このファイルが存在すると、そこに保存されたファイアウォールルールは システムの再起動やサービスの再スタートの後でも継続されます。

iptablesに関する詳細は章18章 を参照してください。

4.1.19. /etc/sysconfig/irda

/etc/sysconfig/irdaファイルは、システム上の 赤外線デバイスがスタート時に設定される状態を制御します。

次のような値を使用することが出来ます:

  • IRDA=<value>, この <value>は次の ブール値のいずれかとなります:

    • yesirattachが実行されて、ネットワーク接続を確立しようとする別のノートブックコンピュータなどが赤外線ポートに接続を試みているかどうかを定期的にチェックします。このシステム上で赤外線デバイスが動作するには、この行がyesに設定されている 必要があります。

    • noirattachは実行されず、 赤外線デバイスの通信は阻止されます。

  • DEVICE=<value>、ここで <value>とは、赤外線接続を処理するデバイス(通常はシリアルポート)です。シリアルデバイスエントリの例と しては/dev/ttyS2があります。

  • DONGLE=<value>、 ここで <value>は、赤外線通信に使用されているドングルのタイプを指定します。この設定は本来の赤外線ポートではなく、シリアルドングルを使用するユーザーの為に存在します。ドングルとは、赤外線経由で通信するために通常のシリアルポートに付けられたデバイスです。このような添付ドングルのコンピュータよりも本来の赤外線ポートを持つノートブックの方か遥かに多いため、デフォルトではこの行はコメントアウトしてあります。ドングルエントリの例としてactisys+があります。

  • DISCOVERY=<value>, ここで <value>は 以下のブール値のいずれかとなります:

    • yesirattachを発見モードで スタートします。つまり、他の赤外線デバイスを積極的にチェックするという意味です。 マシンが赤外線接続を積極的に探すようにするには、これをオンにする必要があります (ピアは接続を開始しないという意味です)。

    • noirattachを 発見モードでスタートしません。

4.1.20. /etc/sysconfig/keyboard

/etc/sysconfig/keyboardファイルはキーボードの動きを 制御します。次の値を使用できます:

  • KEYBOARDTYPE="sun|pc"ここで、sunとは、 Sun キーボードが /dev/kbdに付帯していることと、pcとは、PS/2 キーボードが PS/2 ポートに付帯しているを意味します。

  • KEYTABLE="<file>"、ここで <file>はキーテーブルファイルの名前です。

    例えば:KEYTABLE="us"/lib/kbd/keymaps/i386 の 中でキーテーブルがスタートして、そこから別々のキーボード配列に別れる時にこのファイルが使用 されます。すべて<file>.kmap.gzの ラベルが付きます。/lib/kbd/keymaps/i386の下あり、 KEYTABLEセッティングにマッチする最初のファイルが使用されます。

4.1.21. /etc/sysconfig/kudzu

/etc/sysconfig/kuzduファイルは、ブート時にkudzuにより システムハードウェアの安全検出を開始します。安全検出ではシリアルポート検出は無効です。

  • SAFE=<value>, ここで <value>は 以下のいずれかになります:

    • yeskuzduは 安全検出を実行します。

    • nokuzduは ノーマル検出を実行します。

4.1.22. /etc/sysconfig/mouse

/etc/sysconfig/mouse ファイルは、利用できるマウスに関する情報を指定するのに使用されます。次の値が使用できます:

  • FULLNAME="<value>"、この <"<value>"は使用されているマウスの種類のフルネームを示します。

  • MOUSETYPE="<value>"、この "<value>"は以下のいずれかになります:

    • imps2 — 汎用 USB wheel マウス。

    • microsoftMicrosoft™マウス。

    • mousemanMouseMan™マウス。

    • mousesystemsMouse Systems™ マウス。

    • ps/2 — PS/2 マウス。

    • msbmMicrosoft™ バス マウス。

    • logibmLogitech™ バス マウス。

    • atibmATI™ バス マウス。

    • logitechLogitech™ マウス。

    • mmseries — 古いタイプのMouseMan™マウス。

    • mmhittab — mmhittab マウス。

  • XEMU3="<value>"、この "<value>"は次のブール値のいずれかになります:

    • yes — マウスは2つボタンしかありませんが、3つボタンのエミュレーション(模倣)が出来ます。

    • no — マウスはすでに3つボタンを装備しています。

  • XMOUSETYPE="<value>"、この "<value>"は、Xが動作している時に使用されるマウスの種類を示します。このオプションは、この同じファイル内での MOUSETYPEセッティングと同じです。

  • DEVICE=<value>, この<value>は、マウスデバイスです。

    値の例である、/dev/input/miceとは、実際のマウスデバイス を指すシンボリックリンクです。

4.1.23. /etc/sysconfig/named

/etc/sysconfig/namedファイルは、ブート時に引数を namedデーモンに渡すのに使用されます。named デーモンは、BIND(Berkeley Internet Name Domain) バージョン 9 ディストリビューションを実装するDNS(Domain Name System)サーバです。このサーバはネットワーク上のIP アドレスと関連している ホスト名のテーブルを管理します。

現在、次の値だけが使用できます:

  • ROOTDIR="</some/where>", ここで </some/where>は、 namedが実行される設定済みのchroot環境のフルディレクトリの パス(経路)を示します。このchroot環境が最初に設定される必要があります。 詳細を得るには info chrootと入力して、info案内を 御覧下さい。

  • OPTIONS="<value>", この <value>は、 namedman ページにリストされている内、-t以外の オプションです。-tの代わりに、上記のROOTDIRを 使用します。

このファイルに利用できるパラメータの詳細情報は、namedの manページを参照してください。BIND DNS サーバーを設定する方法についての詳細は 章12章を参照してください。このファイルはデフォルトでパラメータを含んでいません。

4.1.24. /etc/sysconfig/netdump

/etc/sysconfig/netdumpファイルは、/etc/init.d/netdump サービスの設定ファイルです。netdumpサービスはネットワークを経由して oopsデータとメモリダンプを送信します。 一般的にはnetdumpは必要のないサービスなので、 絶対に必要な時にのみ実行します。 このファイルに利用できるパラメータについての詳細は、 netdumpのmanページを参照してください。

4.1.25. /etc/sysconfig/network

/etc/sysconfig/networkファイルは、目的のネットワーク設定に 関する情報を指定するのに使用されます。以下の値が使用できます:

  • NETWORKING=<value>, ここで <value>は以下の ブール値のいずれかになります:

    • yes — ネットワークを設定する必要があります。

    • no — ネットワークを設定する必要がありません。

  • HOSTNAME=<value>, ここで <value>は、 hostname.expample.comなどの完全修飾型ドメイン名 (FQDN)である必要があります。しかし これは必要な名前なら何でも結構です。

    注記注記
     

    ユーザーがインストールする可能性のある古いソフトウェア(trnなど)との互換性の為に、/etc/HOSTNAMEファイルにはここに設定してある値と同じ物を含んでいる必要があります。

  • GATEWAY=<value>, ここで、 <value>は、 ネットワークゲートウェイの IP アドレスです。

  • GATEWAYDEV=<value>, ここで、 <value>eth0などのゲートウェイデバイスです。

  • NISDOMAIN=<value>, ここで <value>は NIS ドメイン名です。

4.1.26. /etc/sysconfig/ntpd

/etc/sysconfig/ntpdファイルは、ブート時に引数をntpdデーモンへ渡す為に使用されます。ntpdデーモンはインターネット標準時間サーバーと同期をとる為にシステムクロックを設定して管理します。ネットワーク時間プロトコル (NTP)のバージョン4 を実装するものです。このファイルに利用できるパラメータについての詳細は Web ブラ ウザで次のファイルを表示します:/usr/share/doc/ntp-< version>/ntpd.htm(ここで<version>とはntpdのバージョン番号です)。 デフォルトでは、このファイルはntpdプロセスのオーナーを ユーザーntpに設定します。

4.1.27. /etc/sysconfig/pcmcia

/etc/sysconfig/pcmciaファイルは、PCMCIAの設定情報を 指定するのに使用されます。次の値が使用されます:

  • PCMCIA=<value>, この <value>は 次のいずれかになります:

    • yes — PCMCIA サポートは有効にする必要があります。

    • no — PCMCIA サポートは有効にする必要がありません。

  • PCIC=<value>, この <value>は、以下の いずれかです:

    • i82365 — コンピュータは i82365-スタイルの PCMCIA ソケットチップセットを持ちます。

    • tcic — コンピュータは tcic-スタイルの PCMCIA ソケットチップセットを持ちます。

  • PCIC_OPTS=<value>、ここで <value>は、ソケットドライバ (i82365 又はtcic)タイミングパラメータです。

  • CORE_OPTS=<value>, ここで <value>は、 pcmcia_coreオプションの一覧です。

  • CARDMGR_OPTS=<value>、ここで <value>は PCMCIA cardmgrのオプションの一覧です。(例:-qは静かなモードで、-mは指定ディレクトリでロードできるカーネルモジュールを探します。)。詳細情報はcardmgrのmanページを御覧下さい。

4.1.28. /etc/sysconfig/radvd

/etc/sysconfig/radvdファイルは、ブート時に引数をradvdデーモンに渡すために使用されます。radvdデーモンはルーターの要求をリッスンして IP バージョン6 プロトコル用のルーター広報を送信します。このサービスによって、ネットワーク上のホストはこれらのルーター広報をベースにして動的にそのデフォルトのルーターを変更することが出来ます。このファイルに利用できるパラメータについての詳細は radvdの man ページを参照してください。デフォルトでは、このファイルはradvdプロセスのオーナーをユーザー radvd に設定します。

4.1.29. /etc/sysconfig/rawdevices

/etc/sysconfig/rawdevicesファイルは以下のような 生デバイスのバインディングの設定に使用されます:

/dev/raw/raw1 /dev/sda1
/dev/raw/raw2 8 5

4.1.30. /etc/sysconfig/samba

/etc/sysconfig/sambaファイルは、 ブート時に引数をsmbdデーモンとnmbdデーモンに 渡す為に使用されます。 smbdデーモンはネットワーク上の Windowsクライアントとの ファイル共有の接続を提供します。nmbd デーモンは、IPネーミングサービス上でNetBIOSを提供します。 このファイルに利用できるパラメータに関する詳細は、 smbdのmanページを参照してください。 デフォルトでは、このファイルはsmbdnmbdをデーモンモードで実行するように設定します。

4.1.31. /etc/sysconfig/selinux

/etc/sysconfig/selinuxファイルには、SELinux 用の基本 設定オプションが含まれています。このファイルは、/etc/selinux/config へのシンボリックリンクです。SELinux に関する詳細情報は 章21章を参照して下さい。

4.1.32. /etc/sysconfig/sendmail

/etc/sysconfig/sendmailファイルにより、必要なネットワーク上でメッセージを配送して、1つ又は複数のクライアントにメッセージを送ることが できます。このファイルは、Sendmail アプリケーションが実行されるようにデフォルトの値を設定します。そのデフォルトの値は、デーモンをバックグラウンドで動作するようにして、何かがバックアップされた場合、1時間毎にキューをチェックします。

値は次ぎを含みます:

  • DAEMON=<value>, ここで <value>は以下のいずれかになります:

    • yes —Sendmailは、受信メール用に ポート25をリッスンするように設定する必要があります。yesは Sendmailの-bdオプションの使用を意味します。

    • no —Sendmailは、受信メール用に ポート25をリッスンするように設定する必要がありません。

  • QUEUE=1h Sendmailにそれを-q$QUEUEと して与えます。-qオプションは、/etc/sysconfig/sendmail が存在していて、QUEUEが空又は、未定義の場合は、 Sendmailに与えられません。

4.1.33. /etc/sysconfig/spamassassin

/etc/sysconfig/spamassassinファイルは、ブート時に引数をspamdデーモン (Spamassassinのデーモン版)に渡す為に使用されます。Spamassassin は、電子メールスパム用のフィルタアプリケーションです。利用できるオプションの一覧は、spamdの man ページを参照してください。デフォルトでは、spamdをデーモンモードで実行し、ユーザーの個人設定をし、そして白紙リスト(許可されたバルク配送元)を自動作成 します。

Spamassassinに関する詳細は、項11.4.2.6を参照してください。

4.1.34. /etc/sysconfig/squid

/etc/sysconfig/squidファイルは、ブート時に引数を squidデーモンに渡すのに使用されます。squid デーモンは、Webクライアントアプリケーション用のプロキシキャッシングサーバです。 squidプロキシサーバに関する詳細情報は、Webブラウザを 使用して/usr/share/doc/squid-<version>/ ディレクトリを開いて御覧下さい(<version>の部分はシステムにインストールされているsquidのバージョン番号です)。デフォルトでは、このファイルはsquidをデーモンモードでスタートする様に設定して、停止するまでの時間の値をセットします。

4.1.35. /etc/sysconfig/system-config-securitylevel

/etc/sysconfig/system-config-securitylevelファイルには、最後にセキュリティレベル 設定ツール (system-config-securitylevel)が実行された時にユーザーが選択した全てのオプションが含まれています。ユーザーはこれを手動で変更すべきではありません。 セキュリティレベル 設定ツールの詳細については Red Hat Enterprise Linux システム管理ガイドにある 基本的なファイヤーウォール設定の章を参照してください。

4.1.36. /etc/sysconfig/system-config-users

/etc/sysconfig/system-config-usersファイルは、グラフィカルアプリケーションのユーザーマネージャ用の設定ファイルです。このファイルは、rootdaemonlpなどのシステムユーザーをフィルターにかける為に使用されます。このファイルは、ユーザーマネージャアプリケーションで 個人設定 => システムユーザとグループをフィルタのプルダウンメニューで編集されますので、手動で編集するものではありません。このアプリケーションの使い方についての詳細は、Red Hat Enterprise Linux システム管理ガイドユーザーとグループの設定の章を参照してください。

4.1.37. /etc/sysconfig/system-logviewer

/etc/sysconfig/system-logviewerファイルはグラフィカルで、対話式のログ表示アプリケーションログ ビューア 用の設定ファイルです。このファイルは、ログ ビューア 内の編集 =>設定 プルダウンメニューにより編集されるため、手動で編集しないで下さい。このアプリケーションの使い方についての詳細はRed Hat Enterprise Linux システム管理ガイドにある ログファイルの章を参照してください。

4.1.38. /etc/sysconfig/tux

/etc/sysconfig/tuxファイルは、Red Hat Content Accelerator (旧名:TUX)と言う、カーネルベースの Web サーバ用の設定ファイル です。Red Hat Content Accelerator の設定に関する詳細は、Web ブラウザを使用して、/usr/share/doc/tux-<version>/tux/index.htmlファイルを開いてその内容を確認して下さい(<version>は、システムにインストールされているTUXの実際のバージョン番号で入れ換えます)。このファイルで利用出来るパラメータは/usr/share/doc/tux-<version> /tux/parameters.htmlに一覧表示してあります。

4.1.39. /etc/sysconfig/vncservers

/etc/sysconfig/vncserversファイルはVNC (Virtual Network Computing)サーバがスタートする方法を設定します。

VNC を使用するとユーザーは実行中のマシン上の環境だけでなく、各種アーキテクチャの 別のネットワークを通したマシンのデスクトップ環境もリモート表示できます。

以下のような項目が該当します:

  • VNCSERVERS=<value>、この <value>には、VNC サーバがユーザー fred 用にディスプレイ:1 で開始されることを示すには、 "1:fred"のように設定します。ユーザー fred は、リモートリモート VNC サーバに接続する前に、vncpasswdを使用して VNC パスワードを設定しておく必要があります。

VNC サーバーを使用している時は、その通信は暗号化されていませんので、信用でき ないネットワーク上では使用すべきではないことに注意して下さい。VNC 通信を安全にする SSH の使用に関しての説明は、以下のサイトにある情報をお読み下さい。 http://www.uk.research.att.com/archive/vnc/sshvnc.html。SSH についての詳細はRed Hat Enterprise Linux システム管理ガイドにある章20章、を参照してください。

4.1.40. /etc/sysconfig/xinetd

/etc/sysconfig/xinetdファイルはブート時に引数を xinetdデーモンに渡すために使用されます。xinetdデーモンは、インターネットサービスのポートへ要求が受信されるとインターネットサービスを提供するプログラムを開始します。このファイルに利用できるパラメータに関する詳細は xinetdの man ページを参照して ください。xinetdサービスについての詳細は、項17.3を参照してください。