各 Samba デーモン及びサービスに関する簡単な概要と、その開始、停止の方法についての説明を次に示します。
Samba は、3 つのデーモンで構成されています(smbd、nmbd、winbindd)。 2 つのサービス(smb と windbind)がそのデーモンの開始、停止、その他サービス関連機能の作動方法を制御します。各デーモンごとの詳細、それを制御する特定サービスを一覧表示します。
smbd サーバデーモンはファイル共有と印刷サービスをWindows クライアントに提供します。さらに、ユーザー認証、リソースのロック、SMB プロトコルでのデータ共有も行います。SMB 通信をリッスンするサーバ上のデフォルトポートは TCP ポート 139 と 445 です。
smbd デーモンは smb サービスに制御されます。
nmbd サーバデーモンは、Windows ベースのシステムで SMB/CIFS により生成される要求などの NetBIOS ネームサービス要求を理解してそれに応答します。こうしたシステムには Windows 95/98/ME、Windows NT、Windows 2000、Windows XP、LanManager などのクライアントがあります。また、ブラウジングプロトコルにも加わり Windows のマイネットワーク、ネットワークコンピュータなどの表示にも現れます。サーバが NMB 通信を待機するデフォルトのポートは UDP ポート 137 です。
nmbd デーモンは smb サービスに制御されます。
winbind サービスは、Windows NT サーバ上のユーザーとグループ情報を解決して UNIX プラットフォームで理解できるようにします。Microsoft RPC コール、Pluggable Authentication Modules (PAM)、Name Service Switch (NSS) を使って行います。これにより、Windows NT ドメインのユーザーが UNIX マシン上で UNIX ユーザーとして操作することが可能になります。Samba ディストリビューションにバンドルされていますが、winbind サービスは smb サービスとは別に制御されます。
winbindd デーモンは、winbind サービスに制御されるので、動作するのにsmbサービスを開始する必要はありません。winbind はクライアントサービスであり、Windows NT ベースのサーバに接続するのに使用されるからです。winbind に関する詳細はこのガイドの範疇を越えますのでここには記しません。
Samba サーバを開始するには、root でログインしてシェルプロンプトで次のコマンドを入力します。
/sbin/service smb start |
![]() | 重要 |
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ドメインメンバーサーバをセットアップするには、まず、net join コマンドを使ってそのドメインまたは Active Directory に参加してから smb サービスを開始します。 |
サーバを停止するには、root でログインしてシェルプロンプトに次のコマンドを入力します。
/sbin/service smb stop |
restart オプションは Samba を停止してから開始するのに便利です。Samba の設定ファイルを編集してからその設定変更を有効にする最も確実な方法です。再起動オプションはもともと動作していなかったデーモンも起動するので注意してください。
サーバを再起動するには、root でログインしてシェルプロンプトに次のコマンドを入力します。
/sbin/service smb restart |
condrestart (条件付き再起動)オプションは、smb が現在実行中である場合のみそれを再起動します。このオプションは、作動していなければデーモンを起動しないのでスクリプトに役立ちます。
![]() | 注記 |
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smb.conf ファイルが変更されると、Samba は数分後、自動的に再ロードします。手動でrestart や reload を発行するのは念のためです。 |
条件付きでサーバを再起動するには、root で次のコマンドを入力します。
/sbin/service smb condrestart |
smb.conf ファイルの手動による再ロードは、smb サービスが自動再ロードに失敗した場合に役に立ちます。サービスを再起動せずに Samba サーバ設定ファイルが たしかに再ロードされたか確認するには、root で次のコマンドを入力します。
/sbin/service smb reload |
デフォルトでは、smb サービスは ブート時に自動的には開始しません。Samba がブート時に開始するよう設定するには、/sbin/chkconfig、/sbin/ntsysv、サービス設定ツールプログラムなどの initscript ユーティリティを使用します。これらのツールに関してはRed Hat Enterprise Linux システム管理ガイドにあるサービスへのアクセスの制御の章を参照してください。