14.2. Samba デーモンと関連サービス

各 Samba デーモン及びサービスに関する簡単な概要と、その開始、停止の方法についての説明を次に示します。

14.2.1. デーモンの概要

Samba は、3 つのデーモンで構成されています(smbdnmbdwinbindd)。 2 つのサービス(smbwindbind)がそのデーモンの開始、停止、その他サービス関連機能の作動方法を制御します。各デーモンごとの詳細、それを制御する特定サービスを一覧表示します。

14.2.1.1. smbd デーモン

smbd サーバデーモンはファイル共有と印刷サービスをWindows クライアントに提供します。さらに、ユーザー認証、リソースのロック、SMB プロトコルでのデータ共有も行います。SMB 通信をリッスンするサーバ上のデフォルトポートは TCP ポート 139 と 445 です。

smbd デーモンは smb サービスに制御されます。

14.2.1.2. nmbd デーモン

nmbd サーバデーモンは、Windows ベースのシステムで SMB/CIFS により生成される要求などの NetBIOS ネームサービス要求を理解してそれに応答します。こうしたシステムには Windows 95/98/ME、Windows NT、Windows 2000、Windows XP、LanManager などのクライアントがあります。また、ブラウジングプロトコルにも加わり Windows のマイネットワークネットワークコンピュータなどの表示にも現れます。サーバが NMB 通信を待機するデフォルトのポートは UDP ポート 137 です。

nmbd デーモンは smb サービスに制御されます。

14.2.1.3. winbindd デーモン

winbind サービスは、Windows NT サーバ上のユーザーとグループ情報を解決して UNIX プラットフォームで理解できるようにします。Microsoft RPC コール、Pluggable Authentication Modules (PAM)、Name Service Switch (NSS) を使って行います。これにより、Windows NT ドメインのユーザーが UNIX マシン上で UNIX ユーザーとして操作することが可能になります。Samba ディストリビューションにバンドルされていますが、winbind サービスは smb サービスとは別に制御されます。

winbindd デーモンは、winbind サービスに制御されるので、動作するのにsmbサービスを開始する必要はありません。winbind はクライアントサービスであり、Windows NT ベースのサーバに接続するのに使用されるからです。winbind に関する詳細はこのガイドの範疇を越えますのでここには記しません。

14.2.2. Samba の開始と停止

Samba サーバを開始するには、root でログインしてシェルプロンプトで次のコマンドを入力します。

/sbin/service smb start

重要重要
 

ドメインメンバーサーバをセットアップするには、まず、net join コマンドを使ってそのドメインまたは Active Directory に参加してから smb サービスを開始します。

サーバを停止するには、root でログインしてシェルプロンプトに次のコマンドを入力します。

/sbin/service smb stop

restart オプションは Samba を停止してから開始するのに便利です。Samba の設定ファイルを編集してからその設定変更を有効にする最も確実な方法です。再起動オプションはもともと動作していなかったデーモンも起動するので注意してください。

サーバを再起動するには、root でログインしてシェルプロンプトに次のコマンドを入力します。

 /sbin/service smb restart 

condrestart (条件付き再起動)オプションは、smb が現在実行中である場合のみそれを再起動します。このオプションは、作動していなければデーモンを起動しないのでスクリプトに役立ちます。

注記注記
 

smb.conf ファイルが変更されると、Samba は数分後、自動的に再ロードします。手動でrestartreload を発行するのは念のためです。

条件付きでサーバを再起動するには、root で次のコマンドを入力します。

 /sbin/service smb condrestart 

smb.conf ファイルの手動による再ロードは、smb サービスが自動再ロードに失敗した場合に役に立ちます。サービスを再起動せずに Samba サーバ設定ファイルが たしかに再ロードされたか確認するには、root で次のコマンドを入力します。

 /sbin/service smb reload 

デフォルトでは、smb サービスは ブート時に自動的には開始しません。Samba がブート時に開始するよう設定するには、/sbin/chkconfig/sbin/ntsysvサービス設定ツールプログラムなどの initscript ユーティリティを使用します。これらのツールに関してはRed Hat Enterprise Linux システム管理ガイドにあるサービスへのアクセスの制御の章を参照してください。