13.3. OpenLDAPデーモンとユーティリティ

OpenLDAP ライブラリとツールのセットは以下のパッケージに含まれています:

2種類のサーバーがopenldap-serversパッケージの中に 含まれています: スタンドアロン LDAP デーモン (/usr/sbin/slapd)とスタンドアロン LDAP 更新複製 デーモン(/usr/sbin/slurpd)です。

slapdデーモンはスタンドアロン LDAPサーバーであり、 slurpdデーモンはネットワーク上の1つのLDAPサーバーから 別のLDAPサーバーへの変更を同期するのに使用されます。slurpdデーモンは 複数のLDAPサーバーを利用している時にのみに使用されます。

管理の作業をするには、openldap-serversパッケージが /usr/sbin/ディレクトリへ、以下のユーティリティを インストールする必要があります:

警告警告
 

slapaddslapcat、又はslapindexを使う前に、/sbin/service slapd stopを発行して必ずslapdを停止させてください。そうしないと LDAP ディレクトリの一貫性を失う可能性があります。

これらのユーティリティの使用方法の詳細については、それぞれの man ページを参照 して下さい。

openldap-clientsパッケージは、LDAPディレクトリのエントリを 追加、変更、削除するのに使う/usr/bin/の中へツールをインストール します。これらのツールには以下の項目が含まれます:

ldapsearchを例外として、これらのユーティリティは LDAPディレクトリで変更をしたいそれぞれのエントリ用のコマンドをタイプするのでなく、 変更したいファイルを参照するのでより簡単に使用できます。このような ファイルの形式については、それぞれのユーティリティの man ページに概要があります。

13.3.1. NSS, PAM, 及び LDAP

OpenLDAPパッケージに加えて、Red Hat Enterprise Linux には、Linux及び他のUNIX環境に統合するために LDAPの機能を強化するnss_ldapと呼ばれるパッケージが 含まれています。

nss_ldapパッケージは、以下のモジュールを提供します:

nss_ldapパッケージは、Itanium 又は AMD64 アーキテクチャ用 に以下のモジュールを提供します:

libnss_ldap-<glibc-version>.soモジュールにより、アプリケーションは、glibc の NSS ( Nameservice Switch)インターフェースを経由した LDAP ディレクトリを 使用してユーザー、グループ、ホスト、そしてその他の情報を検索できます (<glibc-version>には、使用している libnss_ldapのバージョンを入れます)。NSSは、アプリケーションがNIS (ネットワーク情報サービス)ネームサービスと単層の認証ファイルと 共に LDAP を使用して認証できるようにします。

pam_ldapモジュールの使用で、PAM-認識のアプリケーションが LDAPディレクトリ内に保存してある情報を使用してユーザーを認証することができます。 PAM-認識のアプリケーションには、コンソールログイン、POPとIMAPのメールサーバー、 及びSambaが含まれます。ネットワーク上でLDAPサーバーを起用することにより、 これらのアプリケーションのすべてが、同じユーザーIDとパスワードの組合せを使用して 認証できるようになり、管理が大幅に簡略化します。

PAM の設定に関する詳細は章16章と PAM の man ページを参照して下さい。

13.3.2. PHP4、LDAP、Apache HTTP サーバー

Red Hat Enterprise Linux には、PHPサーバーサイド スクリプト言語用の LDAPモジュールを 収納したパッケージが含まれています。

php-ldapパッケージは/usr/lib/php4/ldap.so モジュールを経由してPHP4 HTML埋め込型のスクリプト言語へ LDAP サポートを 追加します。このモジュールにより PHP4スクリプトは、LDAPディレクトリに 保存されている情報にアクセスできます。

Red Hat Enterprise Linux は Apache HTTP サーバーのmod_authz_ldap モジュールと共に送られます。このモジュールはサブジェクトに対するdistinguished name(区別名)の略式を使用し、 クライアントSSL証明書の発行元がLDAPディレクトリ内のユーザーのdistinguished name(区別名)を判定します。 また、ユーザーのLDAPディレクトリエントリの属性を基にユーザーを許可することもでき、 アセットのユーザー/グループ特権を基にアセットへのアクセスを判定します。その時、 パスワードが期限切れのユーザーはアクセスが拒否されます。mod_authz_ldapモジュールを使用する時は mod_sslモジュールが必要となります。

重要重要
 

mod_authz_ldapモジュールは暗号化パスワードハッシュ を使用してLDAPディレクトリのユーザー認証を行ないません。 この機能は実験的なmod_auth_ldapモジュール にて提供され、Red Hat Enterprise Linuxには含まれていません。 このモジュールの状況の詳細は、 Apache Software Foundationのwebサイト、 http://www.apache.org/を参照してください。

13.3.3. LDAP クライアントアプリケーション

ディレクトリの作成と変更をサポートするグラフィカルな LDAP クライアントが ありますが、Red Hat Enterprise Linuxでは配付されていません。このようなアプリ ケーションの1つがLDAP Browser/Editorです。— Javaベースの ツールでオンラインのhttp://www.iit.edu/~gawojar/ldapで入手できます。

他のLDAPクライアントのほとんどは読み込み専用でディレクトリにアクセスし、 組織全体の情報を参照するのに使用しますが、変更はしません。 このようなアプリケーションの例としては、Sendmail、 MozillaGnome MeetingEvolutionがあります。